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2006年11月24日

念珠の話6 -天台と真言の念珠-

平玉念珠


 それでは、天台型と真言型とはどの様に違うのでしょうか。
 念珠は百八の玉を一つに繋ぎ、その輪の両側に房が二つ付くというのが基本的な形です。
 天台型は片側に二十一個の房玉が入り、反対側には房玉が入らない形のことをいい、真言型は片側に十一個、反対側には十個の房玉それぞれに入る形のことをいいます。

 天台宗ではこの形のものは荘厳念珠しか用いませんが、真言宗では荘厳用、普段用、ほぼ全てこの形の念珠を用います。
 一方天台宗では、通常は独特の平たい玉を繋いだ片房の平玉念珠を用います。
球形以外の玉を用いるのは天台宗以外の宗派では見られません。
何故平玉を使うのかというと、念珠を擦り合わせた時に出る音が丸玉の時より大きく、この擦り音を重視するからです。

 比叡山を巡る行をする回峰行者が持つ幅五分五厘(約16.5mm)の大玉の念珠が擦られるときに出る音は非常に大きなものです。
 山の峰、峰を巡りながら、「我はここにあり」とその存在をアピールするのでしょうか。念珠の形は、その宗派の教えや考え方によって大きく変わってくるということを示しています。

安田念珠店社長 安田容造

2006年11月01日

念珠の話5 -念珠の形-

 今までは、主に念珠の起源を見てきましたが、これからは念珠の形を見て行きたいと思います。

 先に述べました様に、念珠は仏教と共に大陸から日本に伝わりました。その日本仏教の発展の軌跡を辿る様に形を進化させて行きます。
 その進化の原点となるのが、平安時代初期の最澄(伝教大師)による天台宗の開宗、空海(弘法大師)による真言宗の開宗です。ここで、念珠は天台型と真言型の二つに分化します。そして、鎌倉時代に天台宗から浄土宗、浄土真宗、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗が生まれ、念珠もそれぞれに様々な形式が生まれます。
 しかし、重要な法要に用いられる荘厳念珠に限ってみれば、天台型、真言型の二つの流れは今も変わりません。鎌倉仏教の開祖達は、自らが修行した天台宗の形を取り入れ、新しい宗派の念珠の形の基礎としたのです。
つまり、念珠の形は日本仏教の歴史を物語っているといえます。

安田念珠店社長 安田容造