念珠の話8 -臨済宗・曹洞宗の念珠-

臨済宗、曹洞宗は共に看経念珠を用います。看経念珠とは、念珠の原型に近い非常にシンプルな形をしています。親玉が一個で百八の玉を打紐と呼ばれる組紐で繋ぎます。我々が普段よく見る片手念珠の原型といえます。曹洞宗では、この看経念珠に金属の輪の入ったものを用います。臨済宗のものには入りません。曹洞宗の金属の輪の意味は、いろいろな方に尋ねてみましたがいまだに分りません。
臨済宗が用いる荘厳念珠の出頭用念珠は切り房で、他の宗派が撚り房を用いるのと比べ大きな違いを示します。また、房色も朱赤、白が基本に、宗派によってはオレンジ、紫紺、金茶等と非常に多彩になります。個人的な話になりますが、私はこの出頭用念珠の製作にいつも取り組んでいます。全て手作りで、一連仕上げるのに約一時間半掛かります。体力の要る仕事ですが、喜びもあります。修理を預かって、その品物が先代の手のもので、それを仕上げた出来が先代のものと同様であることを確認できた時です。いつかは、父を越えたいと思っています。
