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2008年08月25日

日々是好日

円通寺_借景庭園

好きでよく訪れますが、一日として同じ日はありません。
当たり前なのですが…。よく晴れた日の円通寺からのお山(比叡山)です。

左京区一乗寺にある、臨済宗妙心寺派、円通寺は、この借景庭園で有名ですが、最近このお寺のふもとの方で宅地開発が急激に進んでいます。
借景庭園が借景庭園でなくなる日が近いのでは…と危機感を抱きました。
皆さんがこちらを訪れる事で、如何に景観を保つのが難しい事かおわかりいただけるかと思います。
ご住職も色々と運動をされていらっしゃいます。
ひとときの涼を求め、お山を眺めに行ってみて下さい。

2008年08月18日

ブログ再開

福山_明光院

ご無沙汰致しております。
皆さま、お盆はいかがお過ごしになられましたでしょうか。

私事ですが、小さい頃の記憶というのは断片的にとても鮮やかに残っています。
毎年皆でお墓へとご先祖様をお迎えにいき、お供えものには茄子や胡瓜に割り箸が刺され、いつもより豪華に色々な物があり、なんだかこの時期だけに登場する特別な提灯がずっと灯りをつけられ飾られている光景です。
子供ながらに「特別な日、大切な日」というのを感じていました。今になって記憶をたどり、考えてみると、子供というのは、親が思っているよりも色々なものをちゃんと見つめて、考えて、わかっているものだなぁ…と思います。
だからこそ余計に、子供には伝えるべき事はしっかりと! と思う今日この頃です。

お盆が過ぎたというのに、まだまだ暑い日が続きそうですが、どうか皆さま健やかにお過ごしください。
本日よりまた、宜しくお願い致します。

2008年08月07日

百日紅(さるすべり)

鮮紅色の百日紅
真夏の花というと、蓮・向日葵・朝顔と、この百日紅が代表格だ。 花に関する漢字は非常に蘊蓄(うんちく)がある。馬が酔う木と書いて「あせび」と読んだり、木の瓜と書いて「ぼけ」と読んだり…。その字から花の特徴がわかるようだ。

百日紅は夏の暑いさなか、百日も咲き続けるとも言われている。
『広辞苑』によると、

さる・すべり【猿滑・百日紅・紫薇花】(幹の皮が滑らかなので猿もすべるの意)
①ミソハギ科の落葉高木。中国南部の原産。幹は高さ数メートル。平滑でこぶが多く、淡褐色。葉は楕円形で四稜のある枝に対生。秋に紅葉する。夏から秋にかけて鮮紅色または白色の小花が群がり咲く。庭木としてわが国で古くから栽培。材は緻密で細工用。云々……

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2008年08月04日

オヤジの昼寝 -天龍寺-

夏の天龍寺

今年の夏は猛暑が続いている。
日中は強烈な日射しで、水銀柱は常に30度を超している。町中を歩くと、干物になりそうな…。
そんな炎天下にもかかわらず、連日天龍寺は観光客で賑わっている。
大方丈や書院に吹き抜ける風が気持ちよく、ゴロゴロ寝ている観光客があとをたたない。
いくら注意してもききめは無く、若者や子供達には強く注意するのだが、中には大鼾で爆睡中にて、起こすのも気の毒になるようなお父さんも…。
そんな姿を見るにつけ、最近の父親は大変だなぁ…と思う。

夏休みになり、小さい子供のためにせっせと旅行をして絵日記に貢献。大きくなればウザイ・クサイといわれ、あげくのはてに消されかねない世の中である。
「子供は親の背を見て育つ」といわれるが、今では子供の顔色を見ながらハラハラ・ドキドキ心配ばかりしている親が多い。
子育てで大切なのは幼児教育で、特に小学生になるまでに社会的な基本ルールを徹底的に教育すべきであって、子供をペットと間違えている親が多いのではないかと危惧する。
子供は次の社会を作って担っていく大切な人材であり、ペットではない。
ガンバレオヤジ!
爆睡している時ではないのだ!

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2008年07月28日

湯布院

大分県の住職研修会へ、弊所の発売している「宗教法人管理システム 擔雪(たんせつ)II」の講習をするようにと呼ばれて出向いた。
今回、偶然にも2つの別の研修会が続いて行なわれることになったため、二泊三日での別府泊まりである。

このころの九州は雨が続いており、大分空港に到着した時も小雨模様であったが、住職研修会の役職を担っておられるお寺の寺庭婦人様が、わざわざ空港までお迎えに来ていただいていた。
会場までの車中でお話を伺うと、いろいろとご縁があるようで驚いた次第。世間は狭い。

このお寺は、あの湯布院の温泉地のはずれにあるということで、研修会修了後、湯布院観光を兼ねて、お邪魔させていただいた。
佛山寺というこのお寺。以前は堂宇がすべて葦ぶき屋根であったが、近年、火災によって焼失し、この山門がその面影を残すのみである。


佛山寺山門

庫裡の横には、近所の子どもたちが自由に読むことができる私設の図書室があった。子どもたちが沢山いるのですか? と尋ねたら、それが少なくて……と。
やはりここでも少子化でせっかくの図書も利用される機会が少なくなったようだ。自然とお寺に集まる子どもたちも減っていることになる。

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2008年07月17日

大徳寺 高桐院

高桐院

仕事にて、大徳寺塔頭の高桐院を訪れました。
言わずとしれた、細川家の菩提寺。
千利休より賜ったという燈籠が、細川忠興・ガラシャ夫人の墓として有名な古刹です。

昨日本屋さんに立ち寄りますと、「暑いこの時期こそ、京都のお寺巡り…」というような京都本が発売されていましたが、まさにその通り。
観光客も少なく、時に境内をひとりじめというような寺院もあります。
緑が目に涼しく、そこを通って吹く風はまさにごちそうです。
春や秋ではとうていそうはいきません。

春夏秋冬、日本の四季の素晴らしさや、四季に育まれた文化を知るには、気候の良い時期ばかりでなく、全ての時期に京都を訪れてみられると、また新たな発見もあるかと存じます。

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2008年07月16日

遠州 大本山方広寺

方広寺参道にて
甲斐の国を後にし、富士山をかすめて一路静岡へ。 浜松に近い浜名湖の北あたりに位置する、方広寺派の大本山方広寺を訪ねた。 私はこの方広寺には、はじめての訪問なのである。 以前から本などで見ていた参道の風景だが、初めてこの目でみると、想像より何倍もすばらしい。
石橋に並ぶ羅漢さん

参道の両側は木立に覆われ、清水が流れ、アルファー波のシャワーを浴びているようである。
居並ぶ羅漢さんたちも、涼しげに感じる。

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2008年07月15日

甲斐 大本山向嶽寺

大本山向嶽寺 外門

武田神社、恵林寺と辿ったあと、今回の山梨訪問の主眼である向嶽寺に向かった。
向嶽寺へは二度目、一度目はブログにも書いたが、去年の三月のことだった。
さて、向嶽寺は日本の臨済宗黄檗宗15派のうちの一つの大本山である。
恵林寺からほぼ南に車で5分程度の距離であるが、こちらはいわゆる拝観寺院ではないので、ひっそりとしている。雲水の修行する修行道場もある。
さらに、ちょうどこの日は、接心(修行僧が集中して坐禅する期間)中であり、一般参拝者は寺に入ることもできないようななかではあったが、特別に御許可を頂いて、管長である宮本大峰老師とお会いすることになっているのだ。

放生池

境内に入ると、放生池があり、その奥には大きな仏殿が見える。
向嶽寺の開山は抜粋得勝禅師(1327~1387)で、得勝禅師が富士山へ向かう夢を見たことにちなみ、向嶽と名づけられたという。開創にあたり、武田信玄の祖先にあたる武田信成が土地を寄進したという。

仏殿

さて、管長老師との要件はもちろん、すでに発売になっている「禅僧が語る」DVDシリーズの後発分の出演依頼であった。
老師曰く、後世を担ってくれる大事な若者たちがこんなことではいけない。
DVDで世の人たちに訴えるより、事はもっと急務である。
永田町に乗り込んで、宗門からの声を直接ぶつけるほうがいいのではないかというお話にも発展した次第。

2008年07月11日

大徳寺 僧堂の垣根

大徳僧堂の垣根

仕事で大徳寺を訪れましたある日、普段あまり通らない僧堂近くを通り、その垣根の美しさに暫し目を奪われました。
この高い高い垣根の向こうで、今も昔と変わらず雲水さん達が修行に励まれています。
辺りには凛とした空気が漂い、こちらまで身もひきしまる思いで大徳寺を後にしました。

皆さま、色々なお寺に参拝されるかと思いますが、垣根に注目されると案外おもしろいですよ。
京都でも光悦寺の光悦垣、建仁寺の建仁寺垣、桂離宮の桂垣、金閣寺の金閣寺垣・銀閣寺の銀閣寺垣、色々な垣根を楽しめます。
そして職員Kのオススメは、八幡にある寛永の三筆の1人・松花堂昭乗ゆかりの松花堂庭園です。こちらでは広大なお庭に、昭乗垣や双竜垣をはじめとした、たくさんの種類の垣根が見られます。

竹がこんな風に組まれています


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2008年07月09日

天徳院にて桔梗を愛でる

天徳院

仕事で東福寺を訪れました。
塔頭の天徳院さんでは-桔梗を愛でる特別拝観-が行なわれているようです。
夜にはライトアップもあるようで…。
通天橋から壮大なスケールでひろがる青もみじを眺めた後、手入れの届いた庭に楚々とした風情で咲く桔梗を愛でるのも良いものでしょう。

期間:7月17日(木)まで 午前9時30分~午後8時30分
拝観料:大人300円 小人200円

2008年07月07日

南禅寺 三門拝観

南禅寺 三門

6月30日、仕事で南禅寺を訪れました。他の臨済宗の本山では、三門拝観は特別期間中しか行なわれない事が多いのですが、南禅寺では、内部は拝観できないものの、上に登って「絶景かな!」の眺望を楽しむ事ができます。
青もみじ、苔がとても美しい南禅寺。そして緑濃くなったこの時期、お天気も良く、皆さまさぞかし素晴らしい景観を堪能された事と思います。

南禅寺を訪れる際は、是非三門上に登ってみられる事をオススメします。京都の景観を、なぜ守らなくてはならないか……も見えてくる事と思います。

2008年07月03日

甲斐 恵林寺

恵林寺

武田神社参詣のあと、甲州市にある恵林寺へ赴いた。
言わずと知れた、武田信玄公の菩提寺であり、かの夢窓国師が開山の臨済宗妙心寺派の名刹である。
車をとめて、杉木立の長い参道をゆったりと歩くと、古びた三門に至る。

恵林寺三門

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2008年06月17日

第5回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 その2(光雲寺)

光雲寺仏殿

しばし哲学の道の緑の中を歩き、臨済宗南禅寺境外塔頭の光雲寺へ。
哲学の道近辺には、気をつけていないと見落としそうになりますが素晴らしいお寺がいっぱいです。
光雲寺の歴史などについてはこちらからどうぞ。

仏殿

まずは仏殿にて般若心経を唱えます。

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2008年06月16日

第5回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 その1(霊鑑寺)

雨の予報に心悩ませた6月11日(水)、皆さんの日頃の心がけが良いからか雨に降られる事もなく、無事に第5回“禅と文化の旅”を終える事ができました。
行程はこちら

霊鑑寺へ

まずは臨済宗南禅寺派に属する尼門跡寺院、椿で有名な霊鑑寺へ。こちらは紅葉の時期椿の時期にそれぞれ一週間ほど特別公開されるのみですが、今回は特別に緑美しいこの時期にお邪魔させていただきました。

緑濃い山がすぐ後ろに。「こんなところにこんなお寺があったのね!」と皆さまから…。少し北に行くと法然院、哲学の道を南に下がると南禅寺。近くには来たことがあるものの、ここは知らなかったという方が多かったです。
門をくぐると緑の海のような世界が。ツツジのピンクがよく映えます。

庭園

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2008年06月05日

鎌倉 建長寺

建長寺
円覚寺と文字通りならんでいる建長寺は、臨済宗建長寺派の本山で、鎌倉五山の第一とされる。北条時頼が蘭溪道隆禅師を招いて建立された名刹。 円覚寺と並ぶとはいえ、少し由比ヶ浜に近いせいか海の風も感じるため、どこか雰囲気が違う。 管長老師と建長寺僧堂の一室でお出会いし、DVDの件をご快諾いただいた後、山内を撮影にあるいた。

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2008年06月04日

鎌倉 円覚寺

鎌倉にある、臨済宗円覚寺派の大本山、円覚寺を訪問した。
管長方のDVD制作の一環で、円覚寺管長の足立大進老師にお会いするためであったが、私個人は、実は円覚寺を尋ねるのは初めてである。
鎌倉時代後期に、北條時宗が無学祖元禅師を招いて開創された寺である。

JR横須賀線の北鎌倉の小さな駅を降り立つと、すぐ近くに円覚寺へあがる階段がある。
今はどうやら修学旅行の季節らしく、子どもたちも多い。


円覚寺三門

またとくに最近は、年配の方が立派なデジタルカメラを抱えて、ファインダーを覗かれているのもよく見かける。デジタルカメラは今までの銀鉛フィルムとくらべ、フィルムが無駄にならないから、重宝されているのだろう。

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2008年06月02日

慈受院 -薄雲御所-

慈受院

臨済宗単立寺院、慈受院門跡が5/6まで特別公開されていましたので、伺って来ました。
非公開寺院でしたが、今回初めて公開されたかと思います。今後、春や秋の特別公開の時期には拝観できるようになるのかもしれません。またそのような情報はこちらのブログでもご案内させていただきます。

この門跡寺院は、1428年、亡夫である足利義満の遺言により、日野栄子が天皇家の菩提を弔うため建立されたそうです。それ以来、代々尼門跡により守られてきた為、薄雲御所又は烏丸御所、竹の内御所と呼ばれてきたそうです。
色々な尼門跡を拝観する私ですが、やはり尼門跡には尼門跡らしい風情があります。こちらのお庭もこじんまりとしていながらも気品高く、車が多く走る堀川通りから少し入った所とは思えない空気が漂っていました。
写真不可でしたので、ご覧に入れられませんが、また公開される事もあるかと存じます。
是非訪れてみてください。

2008年05月21日

開山無相大師650年遠忌のために 於:妙心寺

妙心寺


臨済宗妙心寺派大本山妙心寺では、平成21年の遠忌に向けて全国の檀信徒による参拝でにぎわってきています。
先日前を通りましたら、壁の漆喰も装い新たになるようで、たくさんの職人さんによって作業が勧められていました。

漆喰塗り直し


この機会に、先師の徳にあやかり、心さまよう混迷のこの時代に光を見出したいと思う今日この頃です。

2008年05月01日

第39回 寂室禅師生誕奉賛茶会のお知らせ 於:永源寺

永源寺の新緑

第39回 寂室禅師生誕奉賛茶会
於:臨済宗大本山永源寺(滋賀県)

昨年の様子はこちら

今年の詳細は下記のとおり。紅葉で有名な本山ですが、5月の新緑もそれはそれは美しく、清々しい心持ちになれます。

開催日:平成20年5月11日(日) 午前10時~午後3時
献茶式(午前11時より):裏千家 泉本宗悠業躰
献  笛:都山流  八木慶山師

特別協賛 煎茶席 泰山流家元
協賛席   裏千家流
      表千家流
       遠州流
       瑞石会

茶券   前売券:2500円
      当日券:3000円
      一席券:当日、永源寺朱印所で発売

茶券販売所 
     大本山永源寺
      各協賛席
     

お問い合わせ  大本山永源寺 奉賛茶会係
           電話 0748-27-0016
            FAX 0748-27-1055

2008年04月28日

臨済宗大本山佛通寺の撮影

川を渡って佛通寺へ


絶版となっていた『禅の寺』を復刻する事となりました(今秋発売予定)。
臨済宗の本山全てをこのような形で紹介した本もなかなか無い事や、「もう買うことはできないのですか?」とのお問い合わせをいただく事もしばしばあり、今回はカラー写真を増やし、文章にも少し手を加え、皆さまに手にとっていただきやすいようにと考えています。むろん、しっかりと各本山の歴史や宝物などもご紹介する、本格的な本山紹介の本であるのは言うまでもありません!

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2008年04月24日

08年さくら その2

昨日に引き続き、桜の写真です。この2枚は京都、上品蓮台寺の桜です。紅しだれがとても立派です。

上品蓮台寺

上品蓮台寺

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2008年04月23日

08年さくら その1

京都御苑 小川の糸桜

今年もたくさんの桜を楽しめました。なぜか今年は初めて桜に夢中でした。むろん毎年綺麗だなぁと思って見ているのですが、どうしてでしょうか。現在の心境?年齢?でしょうか…。
なかなか綺麗な写真が撮れましたので、皆さまにご紹介を。
来年のお花見のご参考にどうぞ…。 上の写真は京都御苑の小川の糸桜、下は吉田神社です。

吉田神社


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2008年04月11日

白隠墨跡展とフォーラムのご案内 於:松島 瑞巌寺


松島の瑞巌寺での白隠墨跡展とフォーラムのご案内です。
詳しくは画像をクリックして下さい。

ちなみに、講演をされる芳澤勝弘氏は、現在、花園大学国際禅学研究所教授ですが、以前は、禅文化研究所の編集主幹で、私たちの上司でした。
したがって、「白隠禅師法語全集」は、編集主幹時代の成果です。

2008年04月08日

隠元橋 -宇治・黄檗宗萬福寺-

新隠元橋

春たけなわの4月3日、黄檗山萬福寺の開山忌に行ってきた。宇治へと車で向かう道中は桜も見頃、ちょっとした花見気分である。
京都市内から宇治市の木幡に入り宇治川に沿って走ると隠元橋がある。この地は、かつて岡屋の津という港があり、古くから交通の要衝として栄えてきた。江戸時代、黄檗宗開山隠元禅師が幕府から寺領地を賜ることとなり、新寺の候補地探しのために淀川をさかのぼり宇治川で下船した場所でもあることから、「隠元禅師渡岸の地」の呼び名も加えられた。昭和24年に初めて橋が架けられ、隠元禅師の渡しにちなんで隠元橋と名づけられたという。

この隠元橋が新しく架け替えられていた。これまでの橋は幅員も狭く、一宗の開山名を冠するには憚られるような小さな橋であったが、新隠元橋は4車線の両側に歩道まである立派な橋に生まれ変わっていた。
また、橋の東側には「黄檗開山隠元禅師渡岸之地」の石碑が新たに建立されていた。石材は禅師の出身地である中国福建省から取り寄せ、中国古来の伝統形式である亀趺の形に仕上げたという。
さて、黄檗宗では4月より岡田亘令老師が新管長に就任された。開山忌では力強く隠元禅師の遺徳を偲ぶ香語を唱えられた。この地に法筵が開かれて340年、脈々と法灯は継承される。

黄檗開山隠元禅師渡岸之地

2008年04月03日

霊鑑寺の春 哲学の道

有名な月光

特別公開中の霊鑑寺(左京区鹿ケ谷)を訪れました。
毎年、椿の見頃と紅葉の美しい頃、公開されます(今年は4/6まで)。
昨年も参りましたが、やはり今年も心洗われる美しい椿を拝みたい。椿参拝です。
あまりに美しい椿を見ていると、不思議だなぁ…という気持ちになり、お釈迦様が金波羅華一輪をお示しになられた事を思い出します。

尼門跡寺院といえば、前回の禅と文化の旅にて、奈良の円照寺(後水尾天皇の第一皇女、梅宮さまが開山)を拝観させていただきましたが、こちらは同じ後水尾天皇の皇女、多利宮さまが開山です。
明治維新まで皇女などが入寺されたため、「鹿ケ谷比丘尼御所」「谷の御所」とも呼ばれます。
代々皇女が入寺された寺は、どことなく雅な感じが漂い、凛としつつも女性らしい優しい空気が流れているような気がします。
それでは、今年の椿を是非皆さまに…。

哲学の道も桜は満開。そして、水仙、ミツマタ、クリスマスローズ、レンギョウ、雪柳、石楠花、あらゆる花が咲き誇っていました。

秋の霊鑑寺
昨年の椿

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2008年03月28日

百花苑 -天龍寺-

馬酔木

この冬の京都は雪が多く、ここ天龍寺の庭にも春の気配が感じられるようになり、百花苑の花々が目を開き始めました。これからの庭内散策が楽しみです。

現在、天龍寺では下記のものが楽しめます。
椿・坐禅草・馬酔木・山茱萸・桃・木瓜・梅

これからは…
桜・木蓮・海棠桜・辛夷・芍薬・牡丹・平戸躑躅・満点星躑躅・石南花・五月などが楽しめます。
ところでみなさん、これ全て読めますか?!

坐禅草


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2008年03月21日

あなぐま寺庭の講演 於:妙心寺

あなぐま寺庭の講演

建仁寺派瑞陽寺の寺庭である伊賀奎子さん(弊所発行『あんたはあんたのままでいい 寺庭奮闘記』の著者)が妙心寺本山で行なわれた寺庭婦人研修会で講演を行なった。
伊賀さんは住職と共に山口県の過疎地にある山寺を守る傍ら、旺盛な好奇心でユニークな活動を行なっている。
「女が寺で生きていくとき」と題した講演で伊賀さんは、老物理学者と羊飼いの少年とが宇宙の真理を語り合う夢枕獏の短編『羊の宇宙』の一文を朗読し、都会のスピードとは無縁な過疎地のスローな暮らしぶりや寺に集う人々を紹介した。

お寺があるからみんなが元気を出して輝いていられるという伊賀さんは、過疎地や限界集落のことを開放区であり自由集落と呼び、お金もない寺であってもできることは見つけられる、お寺は都会から田舎に帰ってきた人たちの心の拠り所としてなくてはならない存在で、寺庭がみんなを引きつけていけるよう力をつけてほしいと熱く語った。
講演後は著書のサイン会を行ない、購入者一人一人に「頑張ってね」と声をかけられていた。
「京都に来て田舎が活性化できる企画を一つ思いついたわよ」と明るく語る伊賀さん。70歳とは思えないエネルギッシュな女性である。

2008年03月20日

蕗の薹(フキノトウ)

蕗の薹

墨跡の撮影ででかけたお寺にて、蕗の薹をみつけました。
雪解けの、ようやく顔を出す頃とは違って、これだけ暖かくなってくるとかなり成長しています。
ほろ苦い春の味、てんぷらにして食べたら美味しいよなぁ…と一人しみじみ眺めます。

春の寺には、最近都会の道端ではとんと見なくなったすみれやいぬふぐり、ホトケノザなどの小さなかわいい花や、沈丁花の香りも満ち、木蓮のつぼみもどんどん大きくなって、春の知らせがそこここに。発見だらけで楽しいものです。

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2008年03月19日

高岡 瑞龍寺 2

シンメトリックで美しい瑞龍寺山門

高岡 瑞龍寺1はこちら
総門を入り山門を正面に立つと、左に禅堂、右に大庫裏がシンメトリックで美しい。
回廊をめぐると、この禅堂や大庫裏をめぐることができる。

回廊

件の禅堂であるが、入堂は禁じられているので前門から覗いただけであるが、私が知っている中では一番、単の高さが高くて踏み台があるほどで、また単箱の後ろは障子が無いためにかなり薄暗く感じた。
普段はこの状態であるから、あの吊り広告のように坐禅を組ませてもらうには予約が必要な様子だし、それにしても、ここは現在、修行道場でもなく雲水もいるようではない。ただの観光寺院にしておくには、甚だ勿体ない気がする。

さて、瑞龍寺は加賀藩二代藩主前田利長の菩提寺であるが、その利長公の墓所は瑞龍寺の中にはなく、総門を出てまっすぐに八丁道を行くと突き当たりにあるが、法堂の裏手の左には分骨石廟があるらしいので行ってみた。
ここには利長公の他に、織田信長公父子の分骨された廟も並んでいた。信長公の娘が利長公の正夫人(玉泉院)であるからであろう。本能寺の変の後に、その分骨をむかえたものとされる。
これらの石廟は富山県の指定文化財になっている。

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2008年03月14日

狩野山雪・老梅図襖絵の複製  妙心寺・天祥院

妙心寺塔頭 天祥院

京都国際文化交流財団が行なっている「デジタルアーカイブ事業」。 簡単に言うと、京都の貴重な文化財である屏風や襖絵などの書画を、最新のIT技術により撮影されたデジタル画像から高性能のプリンターで和紙に印刷し、そこに京都の伝統工芸士が金箔を貼り込み、複製品を作成するというものである。 この3月に、キャノンの出資もうけて制作されるこれらの複製事業によりようやく完成した数点が、もともとあった所蔵寺院等に里帰りすることになった。

そのうちの二点、石庭で有名な龍安寺にあった、狩野永徳画の「琴棋書画図」襖絵と、妙心寺塔頭の天祥院にあった狩野山雪の描いた「老梅図」襖絵について、禅文化研究所は監修という立場で計画時から関わっていた。
この2点は明治期の廃仏毀釈の影響を受けて散逸してしまった逸品で、現在、「琴棋書画図」襖絵は米国シアトル美術館に、「老梅図」襖絵は米国メトロポリタン美術館に所蔵されている。

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2008年03月12日

天龍寺の梅

天龍寺の梅

仕事で天龍寺(嵐山)を訪れました。
梅はどうかと見てみましたが、木によって違うようで、満開に近い木もありますが、ほとんどの蕾を固く閉じたままの木もあります。
三寒四温とはよく言ったもので、やはりなかなかすぐに暖かくはなってくれないようです。
梅の花も足踏みしているのでしょうか。

ミツマタの花もみつけました。茶人に好まれるこの季節の花です。

ミツマタ

2008年03月11日

高岡 瑞龍寺 1

曹洞宗・瑞龍寺

今年の夏には未開通の飛騨清見IC-白川ICが開通し、そうすると名神高速の一宮ジャンクションから北陸自動車道の小矢部砺波ジャンクションまで、東海北陸道が全線開通することになり、東海と北陸との便の風通しが一気によくなる。

さて、大雪だった岐阜の白川郷から富山県高岡市へ向けて、既設の東海北陸道を利用して抜けた。白川郷ほどの雪はないが、それでも北陸も水気の多い雪が降っていた。
高岡市には臨済宗の大本山の一つ、国泰寺があるが、今回は曹洞宗の瑞龍寺という名刹を訪れてみた。

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2008年03月10日

天龍寺 平田精耕管長の津送

法堂での炷拜式

去る3月6日、大本山天龍寺第84世住持 平田精耕管長の炷拜式が執り行われた。 ふつう禅僧の葬儀には、遷化してすぐに行われる密葬と、正式に縁者を集めて行われる津送とがあるが、天龍寺ではこの津送を炷拜式というようだ。 炷拜という言葉にあまりなじみを感じなかったので調べてみると、『禅学大辞典』に、「【炷拜】しゅはい:炷香礼拜の略。香を炷(た)いて礼拜すること」とあった。

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2008年03月05日

献茶式 -於:太平寺-

太平寺

毎年2月8日、十三参りでも有名な大阪は天王寺にある太平寺(曹洞宗)にて、堀内宗心宗匠ご奉仕による献茶式、そして茶筅供養があります。
約一ヶ月前の話になりますが、今年は久々にでかけて参りました。

茶人の朝は早いと言われますが、2月の寒さも何のその!この日は特に、宗心宗匠のお献茶を前の方で拝見したい!と思う人達で朝早くから境内はにぎわいます。
願い叶って一番前で、宗匠の所作その全てを見逃すまいと食い入るように真剣に見つめる人達の表情を見て、研究所から出版させていただいた、堀内宗心宗匠『歩々清風』のまえがき、臨済寺僧堂師家・阿部浩三老師の

――伝統の継承、文化の継承というのは、先人先達の生き様やそのあとを、そして熱意を丸ごと感じとって、実はこちらの方がひたすらに習い、ひたすらにひたすらに求め続けていって、はじめて伝わっていくものではないのでしょうか。――

という一文を思い出しました。伝統や文化は、上から下へと単に水が滴り落ちるようにつたわっていくのではなく、ひたすらに求める者がいてこそ伝わる。また、ひたすらに求めたくなるような継承者が存在するという事がもちろん大前提になるわけで、茶の湯を稽古する者としては、伝統文化を継承するというような大それたおこがましい事はさておき、ただただ宗心宗匠のようなお方と同じ時代に生まれて来られた事を感謝し、仰ぎ見つつ稽古に勉強に励むのです。

寒あやめ

2008年02月25日

龍沢寺僧堂・死活庵老師の津送

梅のほころぶ龍沢寺

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静岡県三島市にある専門道場、円通山龍沢寺。あの白隠禅師が開山である名刹である。 この龍沢寺住職の死活庵・中川球童老師が、昨年末に遷化されたことは、このブログでも少し書いた。 20年以上前に、わたしはこの道場に掛錫していたので、2月14日の津送のお手伝いに呼ばれ、前日13日、三島駅に降り立った。 京都は雪が降っていたが、静岡は雲一つない快晴。あまりにも富士山がきれいに見えたので沢山写真も撮ったのだが、これは改めて書かせてもらう。

死活庵老師の真前

さて、さっそく梅の花のほころぶ龍沢寺に向かい、懐かしい顔ぶれと挨拶をかわし、老師の遷化をいたみあった。 じつは、私が新到参堂(入門)して一週間もたたないころ、当時、龍沢寺の閑栖老師だった中川宗淵老師が遷化され、その数年後に、私が参じていた鈴木宗忠老師も遷化された。そしてこのたびの中川球童老師の遷化で、ここ二十年あまりで三人もの老師を送ることとなり、ここで同じ釜の飯をたべた会下一同、悲しみに暮れている次第である。

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2008年02月21日

永源寺で春の息吹き

茅葺きの永源寺本堂

永源寺の本堂は今どきめずらしい茅葺きの大屋根である。その本堂の中には、「世継ぎ觀音」と呼ばれる本尊聖観世音菩薩が祀られているが、50年に一度のご開帳でしかお目見えできない秘仏である。
この観音様は一寸六分ほどの小さな仏様らしいが、等身大ほどの聖観世音菩薩坐像の宝冠の中に安置してあるそうである。


境内のお地蔵様

永源寺管長、篠原大雄老師のお話を撮影し、ちらちらしていた雪があがったので、永源寺山内で春の息吹きがみつけられないかと探してみたら、ようやくやっと開きかけている梅の花をみつけることができた。
屋根に雪は残ってはいるが、やはりもう立春なのである。


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2008年02月20日

禅僧のことば -永源寺 篠原大雄管長-

永源寺僧堂

ちょうど大寒、雪の舞う中、滋賀県東近江市にある大本山永源寺に、各派管長方のDVD撮影のひとつ、篠原大雄管長の取材に訪ねた。
「こんな真面目くさった質問じゃ、本音がしゃべれんじゃないか」と撮影前におどけてみせる老師だったが、以前よりぐっと痩せてしまわれている。
というのも、去年の三月に喉頭癌を患われ、まだ一年にも満たない闘病中の御身。声が出しにくいのと、近ごろまでは提唱でもマイクを使用されていたとのことであった。
しかしにこやかにインタビュワーの質問に答えられ、とても大切なお話から、冗談も加えられてという、あっと言う間2時間強の撮影だった。
しかし、終わってから、実は声を出すのはまだ少し辛いんだとおっしゃる。そんなそぶりなど全くなかったので、長時間の撮影で申し訳ない思いである。だがとてもいいお話が聞けたので、みなさんには製品となったビデオを楽しみにしていただきたい。

篠原大雄管長

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2008年01月30日

待合 -DVD撮影 相国寺にて-

待合


昨日に引き続き、DVD撮影にて訪れた相国寺。
管長の茶の湯点前の撮影だが、ちょうどこの日は午後から初釜があるとのこと。
待合を少し覗かせてもらった。

待合(まちあい)とは、招かれた客が待ち合わせる、茶事や茶会の為に茶室に入る前の待機場所のような部屋で、この日の待合は上の写真のような床飾り。
待合といえどもさすが、お軸は仙厓さんとのこと。
力強い結び柳には、新年を迎え、今年も無事過ごせるよう祈る気持ちになります。
ねずみの置物は、寺に縁ある人の作品でしょうか、愛嬌を添えています。

仏手柑

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2008年01月29日

雪の相国寺