男らしさ




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「あの人は男らしいね」「あいつは女のくさったようなヤツだ」とかいう言葉は、「ジェンダー(社会的性差)論」や「女性学」がすでに目新しくない昨今でも、立派に横行している。それでと考えてみる。「男らしさって何だ?」「女のくさったのってどんなん?」 すっぱりと答えの出せる人は意外にというか、当然多くはないだろう。「らしさ」というのは「なんとなく」の域を出ない漠然としたものだからだ。しかし、らしさ―「男らしさ」「子どもらしさ」「女らしさ(これには違和感をもつ人も多少はあるかもしれないが)」―という言葉は、考えてみれば「なんとなく」どころではない底力を持っているのかもしれないのだ。

先般、面白い本に出会った。『大日本帝国の「少年」と「男性性」―少年少女雑誌に見る「ウィークネス・フォビア」』(内田雅克著、明石書房、2010年6月発行)である。「ウィークネス・フォビア(weakness phobia)」とは筆者の造語で「「弱」に対する嫌悪と、「弱」と判定されてはならないという強迫観念」だと定義されている。「フォビア」といえばまず頭に浮かぶのが「ゼノフォビア(xenophobia、外国(人)嫌い)」だが、狭量な視野から生じたステレオタイプな偏見という含意が自ずと浮かんでくる。

本書は副題が指し示しているように、戦前の、少年少女雑誌の記述を通して、どのようにウィークネス・フォビアが形成され、変容し、再編されるに至ったかを検証する。取り上げられる雑誌は、『少年世界』(1895年創刊)、『日本少年』(1906年創刊)、『少年倶楽部』(1914年創刊)および『少女世界』『新少女』『少女の友』などである。画像や記述の分析を通して、いかに「男らしさ」という実体のないイメージが構築されていったのか、どのようにしてそこに正義という「根拠のない価値づけ」がなされたのかが次第に浮かびあがる。戦時には「強い日本男子」、軍縮時代には「弱さ」に対する寛容、「軍靴の音が忍び寄る時代」の到来で、再び「強さ」のイメージが復活する。そこに体制側の思惑や世相が反映されてゆくさまが本書においては見事に可視化されている。

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館蔵の名品展-書画と工芸 -承天閣美術館-




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臨済宗大本山相国寺内、承天閣美術館で7月3日から、「館蔵の名品展-書画と工芸-」が開催中です。

展示されるのは、墨蹟・絵画、工芸を中心としたもので、同展の目玉として美術館の方にうかがったのは、『無門関』を編んだ無門慧開の賛(!)による「政黄牛・郁山主図(双幅)」、「即心即仏」(夢窓疎石筆)、「蘭梅図」(惟肖得巌・江西龍派賛)など。個人的には、どこかで見た(学習参考書だったか)「異国通船朱印状」(西笑承兌筆)の実物や、「黄瀬戸大根文鉦鉢」も捨てがたいところです。
ちなみに、「蘭梅図」で賛をしている惟肖得巌と江西龍派は、当時の五山で文名をはせていた禅僧たちです。現代に続く日本の芸術文化を完成させたと言われる室町時代。そして、その文化的精華である金閣・銀閣に代表される、北山・東山文化。それらの文化の基礎とも言われる、「禅」の美術的側面を味わってみてはいかがでしょうか。

8月10日(火)までは、『京の夏の旅』協賛の特別公開として、本山相国寺の方丈・法堂も公開されています。
※ただし、8月1日・2日は、行事のために方丈襖絵が見られないということですので、ご注意ください(拝観は可)。

是非ともこの機会に、一度足をお運びください。

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良寛遺墨展 -何必館-




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祇園にある私も大好きな美術館、何必館(かひつかん)にて、先日(7/19)まで「没後180年 良寛遺墨展」が開催されていました。
早くにご案内できればよかったのですが、ぎりぎりに参りましたので事後報告となってしまいました。
こじんまりした美術館で、心ゆくまで良寛さんを堪能。5階の茶室ではふーっと深い呼吸を。こちらの美術館へは、一人でゆかれる事をオススメします。

研究所の書籍、良寛和尚逸話選もなかなかに面白いですよ。機会がありましたらご覧になってみてください。

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第17回 東京国際ブックフェアを終えて




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去る7月8日~11日、お知らせしていたように、東京ビックサイトにて「第17回 東京国際ブックフェア」が開催され、今年も多くの来場者がみえた。
昨年比で135%の増加だそうで、四日間合計で約87000人もの方が、一年に一度の、いわば「本の祭典」にお越しいただいたようだ。

禅文化研究所は、筑摩書房や河出書房、中央公論など、大手出版社に近い大通りにブースを構えさせてもらい、スタッフ一同、張り切って集客に務めた。
もちろん、一般書のようにはいかないが、毎年お越しいただく愛読者の方々はもちろんのこと、我々が呼びかける「禅文化研究所」の声を聞き止めていただき、ふと立ち寄っていただいた方も数多く、新刊『禅語に学ぶ 生き方。死に方。』を中心に、たくさんお買い求めいただき、ありがたいことだった。
ブックフェアでは多くの出版社が割引販売をしており、特に高額書籍を求めるのには絶好の機会だと思う。去年までは我々スタッフも、休憩時間に他社の書籍をみたり求めたりしたいのだが、今年は大盛況で、そんな時間さえなかったほどで嬉しい悲鳴だった。

一方、今年はあらたな企画で、妙心寺派東京禅センターのスタッフである若手僧侶のお二方(小林師と富岡師)にお願いして、合計13回に渡る「禅セミナー -椅子坐禅と禅語に学ぶ-」を、ブース内で開催した。
椅子席を10席ほど用意してのミニセミナーではあったが、13回すべてが満席で、土日には立ったまま熱心に聞き入る方、椅子坐禅ならぬ起立坐禅までしておられる方もおられた。
もちろんフェア開催中のことであるから、他のブースからの呼びかけ声や、来場者の話し声はかなりの音量で響いていたのであるが、我が禅文化研究所のブースでは、簡単な坐禅の説明の後、拆(たく)と引磬(いんきん)が鳴って止静(しじょう)に入ると、ブース内だけが静寂になり、参加者からのα波が出ているのか、話ながら通りかかる人達も声をしずめるほど、独特の空気を放っていた。

来年もブックフェアは、同じ東京ビックサイトで行なわれるが、東館という更に大きなエリアで開催されるとのこと。現時点で、禅文化研究所も出展の仮申請を済ませたが、正式に出展するということになれば、またお知らせするので、是非ご来場いただきたい。

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祇園祭




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四条界隈へゆくと、山や鉾の準備が始まっていました(2~3日前の画像です)。
中京区(なかぎょうく)の人々のちょっと浮き足立った感と同時に高揚感がなんともいえません。「あぁ、今年もこの時期が来たのだなぁ」と微笑ましく思いながら写真を一枚。季節の行事と共にある京都での暮らしが大好きです。

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